オーストラリアでのアシスタントナースは、医療・介護現場で最も患者に近い存在として働く職種です。未経験から挑戦しやすく、社会的意義の高い仕事である一方、体力的・精神的に負担のかかる場面もあります。ここでは、リアルな働き方を踏まえながら、仕事の魅力と難しさを客観的に整理します。
やりがいを感じるポイント
① 患者からの「ありがとう」と笑顔が直接届く
アシスタントナースは患者と過ごす時間が長く、働いている時間のほとんどがコミュニケーションです。
小さな声かけや介助が患者の生活を支え、QOL向上に直結します。
真摯に向き合っていればいい関係性を築くことができるのも特徴です。
② 患者の回復・変化を間近で感じられる
- 歩行ができるようになった
- 食事摂取量が増えた
- 認知症の方が笑顔を見せた
- 退院することになった
など、毎日の変化が励みになります。
③ 未経験でも医療の世界に入れる
医療業界の入り口として最適で、経験を積むことで准看護師・正看護師への道も広がります。
④ 多文化環境で働ける(オーストラリア)
さまざまな国籍・背景を持つスタッフと協働するため、異文化理解やコミュニケーション能力が自然と鍛えられます。
肉体的・精神的に大変な点
① 身体介助が多く体力が必要
- 移乗介助
- 入浴介助
- 体位変換
など、身体を使う業務が多く、腰や肩に負担がかかります。
※オーストラリアは介助の際に持ち上げることが禁じられているので抱き上げたりなどの負担はありませんが、それでも以上に使う機械が重かったり等どうしても多少の負担が蓄積していきます。
② 感情的に揺さぶられる場面がある
- 認知症の方の対応
- 亡くなる場面に立ち会う
- 急変
- 患者の不安を受け止める
- 家族との会話
など、精神的な揺さぶりを感じることもあります。
③ 感染リスク管理が必須
医療現場での感染対策、PPE(防護具)の着脱など業務は慎重さが求められます。
正しい感染管理をすることでMRSAなどの院内感染は防げます。逆に管理が甘いとどんどん広まっていきます。
④ シフト勤務で生活リズムに影響
早番・遅番・夜勤があるため、慣れるまで体調管理が課題となることも。
もちろんどの勤務帯で働くか希望を出すことは個人の自由ですが、慣れるまでもしくはシフトを安定してもらえるようになるまでには様々な勤務帯で働く可能性があります。
職場の人間関係でよくある悩み
① コミュニケーションミスからのトラブル
申し送りや指示確認が多い職種のため、連携不足がストレスになることがあります。
また、英語力不足で十分なコミュニケーションができずにミスにつながることもあります。
うるさいくらいの確認がちょうどいいかなと思っています。
② 看護師との役割分担に悩むことも
アシスタントナースと看護師の間で業務範囲が曖昧な場面もあり、最初は戸惑うことがあります。
お願いした/してない、やった/やらないでコミュニケーションがうまくいってない場合もよくあります。だいたいアシスタントナースで働き始めて叱られるのはこの辺ですかね。
あとはアシスタントナースの役割は看護師の役割の中に包含されているのですが、完全なる分業だと思っている場合責任の所在があやふやになる場合があります。また、お願いされすぎることもあります。ここも明らかにしておかないとミスに繋がります。
③ 多職種との協働が必要
- 正看護師
- 准看護師
- 医師
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- ソーシャルワーカー
- キッチンスタッフ
- 掃除スタッフ
など、多職種と連携するため関係構築が重要です。
④ オーストラリアでは「文化の違い」に戸惑うことも
異文化環境ゆえのコミュニケーションスタイルの違いに慣れる必要があります。
知識として分かっていてもなかなか実際にその環境に入るのとではまた違ってきます。文化の違いや宗教の違いはその人の価値観と密接にかかわってくるので最低限の理解からはじめて、そこからコミュニケーションの中で理解を深めていく必要があると思います。
将来性とキャリアの広がり
アシスタントナースの将来性は極めて高いです。
医療・介護自体の需要は依然として高いままですし、将来オーストラリアで看護師になりたい人にとっても実際にその進路に進む前に現地の働き方を知るいい機会になります。
① 世界的に需要が伸び続ける職種
- 高齢化の進行
- 医療・介護の人手不足
- 多様なケアの必要性増加
どの国でも需要が高く、安定性が非常に強い仕事です。
② キャリアパス
特にオーストラリアでは、
- AIN(アシスタントナース)
- EN(准看護師)
- RN(正看護師)
へとステップアップしやすいことが最大の魅力です。
③ 海外キャリアにもつながる
オーストラリアで資格・経験を積み英語力をアップさせることで、以下の国でも活躍可能:
- ニュージーランド
- イギリス
- カナダ
- シンガポール
など。
④ 日本に帰国後も強みになる
- 経験や気合によって英語×医療のスキルアップもある
- チームケアの経験、多職種だけじゃなくて多文化の中で働くことの大切さを知っている
- 施設などの場合認知症フロアなどもあったりするようなので日本の大学病院で働くよりもより濃く認知症ケアの経験を得られる可能性がある
- 抑制をしない看護の仕方を知っている
- 海外で頑張ったことで根性がついた
アシスタントナースは、未経験からでも確実にスキルが身につき、国内外でキャリアの幅が広がる「将来性が非常に高い職種」です。


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