「将来は海外で看護師として働きたい」「永住を目指したい」と考える人にとって、
ワーホリは非常に良い“準備期間”になります。
実際、ワーキングホリデー→ アシスタントナースとして働く → 学生ビザ → 看護師資格 → 永住権
という流れでキャリアを築く日本人看護師が増えています。
学生ビザ→アシスタントナースとして働く→ワーキングホリデー→看護師資格→永住権の流れもあります。
海外で看護師登録を目指すためのステップの一つとしてAHPRA の OBA(Outcomes-Based Assessment)というものがあります。今回はそれを分かりやすく解説します。
1.OBAとはなにか
OBA(Outcomes-Based Assessment) とは、
海外で看護師資格を取得した人(Internationally Qualified Nurse / Midwife:IQNM) が、
オーストラリアの看護師として登録できる能力を持っているかを評価する制度です。
運営主体は
- AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency)
- 実務基準の策定は NMBA(Nursing and Midwifery Board of Australia)
- 日本の正看護師資格保持者で4年制の大学を卒業している方は、基本的に OBAルート を通ります
- 以前の「ブリッジングプログラム(IRTP)」は廃止されています
2. OBAの対象者
以下に当てはまる人が OBA 対象です。
- 日本を含む オーストラリア国外で正看護師免許を取得
- 現地で正看護師として 登録・就業経験がある
- オーストラリアの Registered Nurse(RN)登録 を目指す
3. OBAの流れ
OBAは 2段階の試験+AHPRA審査 で構成されています。
全体の流れ
- AHPRAへ初期申請(Eligibility Assessment)
- Stage 1:理論試験(NCLEX-RN)
- Stage 2:実技試験(OSCE)
- AHPRAによる最終審査
- オーストラリア正看護師(RN)登録
4. ステップ① AHPRAへの初期申請(Eligibility)
目的
「OBAを受験する資格があるか」を確認するための審査です。
主な提出書類
- 看護師免許証(日本の正看護師免許)
- 成績証明書・カリキュラム(看護学校)
- 就業証明書(臨床経験)
- 英語力証明
- IELTS Academic Overall 7.0
- または OET B以上
ここで受験する資格があると判断されて初めて次のステップに行きます。
5. ステップ② Stage 1:NCLEX-RN(National Council Licensure Examination)
試験の特徴
- CBT(Computer Based Test)
- NCLEX-RNという試験
内容
- 看護理論・臨床判断
- 倫理・法律・患者安全
- オーストラリアの看護基準(NMBA standards)
などについての内容になりますが、要するにこの試験で見られるポイントは
- 与えられた情報を正確に読み取れるのか
- 患者の安全を第一に判断できるか
- オーストラリアの看護観を理解しているか
などの考え方やそのプロセスを評価されます。
合格すると
👉 Stage 2(OSCE)へ進む資格 を得ます。
6. ステップ③ Stage 2:OSCE
OSCEとは
Objective Structured Clinical Examination
= 模擬臨床環境での実技・コミュニケーション評価
OBAの中で最も難易度が高いとされる試験です。
試験場所
- オーストラリア国内のみ(渡航必須)
内容例
- バイタル測定
- 患者への説明・同意取得
- 看護計画の立案
- 状況に応じた優先順位
- 感染対策・リスク管理
- 安全確認
- 多職種連携・報告(ISBAR)
「英語で安全に看護ができるか」 が厳しく見られます。
日本での経験が豊富であっても英語で説明・判断・連携できないと不合格になります。
7. ステップ④ AHPRA最終審査・登録
OSCE合格後、
- 健康状態
- 犯罪歴チェック
- 英語力の有効性
- 職業的適格性
などを含めた 最終審査 が行われます。
問題がなければ
Registered Nurse(RN)として正式にAHPRAに登録されます。
8. よくある誤解・注意点
OBAは学校に通う制度?
→ いいえ。英語で行い看護実践評価のための試験制度です。
(廃止されたブリッジングプログラムとは違います)
英語学校に行けば免除される?
→ なりません。
最低限の英語試験スコアは必須です。昔あったダイレクトエントリー制度は廃止になっています。
日本の経験年数が長ければ有利?
→ 短いよりは長い方がいいですが、試験免除にはなりません。
9. 日本人看護師にとっての重要ポイント
- 英語力(特にOSCE対策)が最大の壁だと思います。OSCEが公式に出している対策コースはないため試験をパスされた方はいろいろな学校の短期OSCE対策コースに通われていた方が多いようです。
- 看護知識よりどのように言語化しているか・共有しているか・確認しているかが重要になります。もくもくとこなしていても評価されません。
- OBAは暗記科目の試験ではなくオーストラリアだったら(その国だったら)どのように行動するのが正解なのかへの理解が必須です。
10. まとめ
最大の成功要因は
十分な英語力× OSCE対策 ×NCLEX対策× 正確な手続きと理解
海外で看護師として働くためには、
国や州ごとの看護師登録機関で資格認定・登録を受ける必要があります。
OBA=海外看護師がオーストラリア正看護師になるための評価制度
構成:
AHPRA審査 → MCQ → OSCE → 登録
オーストラリア(AHPRA)
AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency) で審査を受けます。
必要書類は以下:
- 日本の看護師免許・大学または専門学校の卒業証明
- 看護教育のカリキュラム(科目内容)
- 臨床経験の証明
- 英語試験(IELTS 7.0 など高い基準)
※ 現状、日本の3年制看護学校は「学歴が足りない」とされるケースが多く、
海外での追加学習(Bridging Program) が必要になる場合があります。
※専門卒で「学位が足りない」とされる方は、日本の通信制大学(放送大学など)で学位を取ってからOBAに臨まれる方もいるようです。
カナダ
州ごとに審査機関があり、以下が一般的な流れです:
- NCAS(コンピテンス評価)
- 必要に応じて追加学習
- NCLEX-RN(国家試験)合格
- 各州の看護協会で登録
ニュージーランド
NCNZ(Nursing Council of New Zealand)で審査されます。
英語要件はIELTS 7.0。
おまけ:日本の看護師資格が海外で評価されるポイント
日本の看護師資格は世界的にも評価が高い一方で、
各国が重視するポイントは次の通りです。
① 看護教育の学位レベル(Diploma / Bachelor)
多くの国は Bachelor(学士)以上 を標準としており、
日本の専門学校(3年制)だと学位が足りないと言われることがあります。
② 臨床経験年数
一般的には 2年以上 の経験が望ましい。
③ 英語力
IELTS7.0、OET Bレベルなど、
看護師として働くには高い英語力が求められます。
④ 国で定める基準との整合性
教育科目・実習時間・看護観などが審査対象になります。
参考サイト
Nursing and Midwifery Board Ahpra
https://www.nursingmidwiferyboard.gov.au/codes-guidelines-statements/faq/transition-to-a-new-assessment-model-for-internationally-qualified-nurses-and-midwives.aspx
OBAに関するnoteも書いてます!気になる方はこちら👇
https://note.com/kangoshigotoo/n/n6805f4085e2a


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