日本の看護師資格から海外(特にオーストラリア)でRN登録を目指すためのコンバージョンコースを丁寧に解説します。制度の仕組み、OBAとの違い、費用・期間、英語条件、対象者、学校情報、就職・永住権の可能性まで最新情報を網羅してありますので、ご参考にしてください!
看護師コンバージョンコースとは?海外で働くための基礎知識
海外で看護師として働くことを目指す日本人看護師にとって、「コンバージョンコース」は非常に重要な選択肢の一つです。特にオーストラリアなど英語圏では、日本で取得した資格や臨床経験をそのまま使用できるケースは限られており、現地の医療制度・看護基準・英語コミュニケーション能力を補完するための教育プログラムが必要となる場合があります。ここでは、コンバージョンコースの基本概念と役割、そして修了後にどのようなキャリアにつながるのかを具体的に解説します。
コンバージョンコースの定義と目的
看護師コンバージョンコースとは、海外(日本など)で看護師資格を取得した人が、オーストラリアなどの現地基準に適合するために受講する移行・補完教育プログラムを指します。
このコースの主な目的は次の通りです。
- 現地の看護実践(Evidence-based practice、患者安全管理など)の理解
- 英語での臨床コミュニケーション能力の向上
- 現地医療制度・法規・倫理の学習
- 臨床現場で求められるスキルの再評価
日本の看護教育は質が高いものの、医療制度・記録様式・薬剤管理・多文化対応などの点で国ごとの差があります。そのため、海外で登録看護師(RN)として安全に業務を行うためには、知識・スキルの「互換性」を証明するプロセスが必要となります。コンバージョンコースはこのギャップを埋める役割を担います。
日本の看護師資格は海外でどこまで通用する?
日本の看護師資格は国際的に一定の評価を受けていますが、そのまま自動的に海外でRN登録が認められることは通常ありません。
各国には独自の登録制度(レジストレーション)があり、学歴・臨床経験・英語力などを個別に審査されます。
オーストラリアを例にすると、看護師として働くには国家登録機関への登録が必要であり、
- 学位・教育内容の同等性評価
- 英語能力証明
- 必要に応じた追加教育または能力評価
といったステップを経る必要があります。
つまり、日本の資格は「基礎資格」として有効ではあるものの、現地基準に合わせた追加要件を満たすことで初めてRNとして就労可能になるという位置づけです。
受講すれば現地RNとして働けるのか
コンバージョンコースを受講・修了しただけで必ずしも即時にRNとして登録できるとは限りません。
現在は多くのケースで、
- 能力評価試験
- 臨床評価(OSCEなど)
- 登録審査
といった追加プロセスが求められる場合があります。
ただし、コンバージョンコースや関連プログラムを修了することで、
- 現地看護基準への適合性を示しやすくなる
- 登録申請時の評価が有利になる
- 現地の医療機関での就職機会が広がる
といった実務上の大きなメリットがあります。
重要なのは、「コース修了=自動的にRN登録」ではなく、「RN登録に必要な条件を満たすための有力なルート」であるという点です。
自身の学歴・経験・英語力によって最適な進路は変わるため、事前に制度を正確に理解し、最短かつ現実的なルートを選択することが成功への鍵となります。
日本の看護師から海外RNになるまでのロードマップ
日本で看護師資格を取得している場合でも、海外で登録看護師(Registered Nurse:RN)として働くためには、一定の手順を段階的に進める必要があります。特にオーストラリアでは、資格の同等性評価や英語力の証明、能力評価などが求められるため、事前に全体像を把握して計画的に準備することが重要です。ここでは、一般的な流れと必要な手続き、現実的なスケジュール感を具体的に解説します。
RN登録までの基本ステップ
日本の看護師が海外RN登録を目指す場合、代表的な基本ステップは次の通りです。
- 英語力の取得・証明
IELTS、OET、PTE Academicなど、指定された英語試験で基準スコアを取得します。 - 学歴・資格の評価申請
看護学位、国家資格、臨床経験などを提出し、現地基準との同等性を審査されます。 - 追加教育または能力評価の実施
必要に応じて、コンバージョンコース、大学の移行プログラム、またはOBA(能力評価)を受けます。 - 最終登録申請
要件を満たした後、正式に登録看護師(RN)として申請します。 - 就職活動・臨床勤務開始
登録後、病院や高齢者施設、コミュニティケアなどで就労可能になります。
このプロセスは個人の学歴・経験によって簡略化される場合もあれば、追加要件が増える場合もあります。
必要となる資格審査・英語試験
海外RN登録では、英語能力と教育内容の同等性が非常に重視されます。
主に求められる英語試験は以下です。
- IELTS Academic
- OET(Occupational English Test)
- PTE Academic
一般的に医療従事者として安全に業務ができるレベルの英語力が必要とされ、4技能すべてで一定基準を満たす必要があります。
また、学歴評価では、
- 看護学校のカリキュラム内容
- 臨床実習時間
- 卒業証明・成績証明
などの提出が求められます。
これらの審査結果によって、追加教育の有無や評価ルート(OBAなど)が決定されることが一般的です。
留学と就労までの一般的なスケジュール
海外RN登録までの期間は個人差がありますが、一般的な目安は次の通りです。
- 英語対策:6か月〜1年以上
- 資格審査・申請準備:3〜6か月
- コンバージョン・移行プログラム:6か月〜2年
- 登録申請・就職活動:数か月
つまり、最短でも1〜2年程度、条件によっては2年以上かかるケースもあります。
一方で、すでに高い英語力があり、学歴や臨床経験が評価される場合は、比較的短期間で登録に進める可能性もあります。
早期就労を目指す場合は、英語試験対策と書類準備を並行して進めるなど、計画的なスケジューリングが成功の鍵となります。
ブリッジングプログラム・OBA・コンバージョンの違い
海外で看護師登録を目指す際、多くの方が混乱しやすいのが「ブリッジングプログラム」「OBA」「コンバージョンコース」という似た名称の制度です。これらはすべて「海外資格を持つ看護師が現地基準に適合するための仕組み」ですが、制度改正により位置づけや主流となるルートが変化しています。ここでは、それぞれの違いと現在の実務上の扱いを整理します。
旧ブリッジングプログラムとは
ブリッジングプログラム(Bridging Program)は、かつてオーストラリアで広く提供されていた海外資格看護師向けの短期適応教育です。
主に数か月間の講義・臨床実習を通じて、オーストラリアの看護実践、記録様式、薬剤管理、患者安全、法規・倫理などを学び、修了後にRN登録申請へ進むことを目的としていました。
このプログラムは、海外で取得した看護教育とオーストラリアの教育基準の差を埋める「橋渡し(Bridging)」として機能していましたが、制度の見直しにより新規申請者に対しては従来型のブリッジングのみで登録に進むケースは限定的となっています。
現在は、個別審査の結果によって別の評価ルート(OBAなど)を指示されることが一般的です。
Outcomes-Based Assessment(OBA)の概要
Outcomes-Based Assessment(OBA)は、看護師として必要な能力(アウトカム)を直接評価する仕組みです。
学歴や経験の書面審査だけでなく、知識・臨床判断・実技の到達度を段階的に確認することを目的としています。
一般的な流れとしては、
- コンピュータベースの知識試験
- 臨床状況を想定した実技評価(例:OSCE形式)
- 必要に応じた追加学習
などが含まれます。
この方式は、教育背景が多様な海外看護師に対して「実際に安全に業務ができるか」を客観的に判断できる点が特徴です。
そのため現在は、海外資格者の主要な評価ルートの一つとして広く運用されています。
現在主流となっている移行ルートの種類
制度改定以降、海外看護師がRN登録を目指す主な移行ルートは複数存在し、個々の条件に応じて最適解が異なります。
- OBA(能力評価)ルート
試験・実技評価を中心に登録要件を満たす方法。英語力と基礎看護能力が十分な場合に選択されやすい。 - 大学のコンバージョン/移行プログラム
Bachelor of Nursing(海外資格者向け)など、短縮カリキュラムで現地基準を満たす学位取得を目指す方法。 - 大学院・トランジション系プログラム
オーストラリアの臨床実践に焦点を当てた教育と臨床経験を組み合わせ、登録申請を支援するタイプ。
どのルートが適用されるかは、学歴(大学・専門学校)、臨床経験、英語スコア、提出書類の内容などによって個別に判断されます。
したがって、制度の名称だけで判断するのではなく、事前に自分の条件を整理し、どの評価方法が最短・現実的かを見極めることが重要です。
自分は対象?受講条件と適性チェック
看護師コンバージョンコースや関連する移行ルートを検討する際、多くの方が最も気になるのは「自分が対象になるのか」という点です。海外RN登録の可否は、学歴・臨床経験・英語力・これまでのキャリア背景など複数の要素を総合的に評価して判断されます。ここでは、一般的に審査時に重視される代表的な条件と、事前に確認しておきたいポイントを整理します。
専門学校卒・大学卒の学歴要件
海外でRN登録を目指す場合、**看護教育の学歴(最終学歴とカリキュラム内容)**は非常に重要な評価項目です。
大学卒(看護学士)の場合、教育内容や臨床実習時間が国際基準と照合しやすく、追加教育が少なく済む、またはOBA評価へ進みやすいケースがあります。
一方、専門学校(3年課程)卒業でも申請自体は可能ですが、
- 臨床実習時間が不足している
- 特定領域(精神・小児・地域看護など)の履修時間が基準に満たない
と判断された場合、大学の移行プログラム(短縮Bachelorなど)や追加科目の履修を求められる可能性があります。
そのため、卒業校の成績証明・シラバス・実習時間の詳細を準備しておくことが重要です。
臨床経験年数はどの程度必要か
必須年数が一律に定められているわけではありませんが、直近の臨床経験があるほど評価は有利になります。
一般的には、以下のような傾向があります。
- 臨床経験1〜2年以上:評価対象として十分に認められやすい
- 経験が浅い場合:追加教育や能力評価が重視される
- 長期間のブランクがある場合:最新の臨床能力の証明を求められる
特に急性期病院での経験や、多様な患者層への対応経験は、看護実践能力の裏付けとしてプラスに働くことが多いです。
一方で、経験が少なくても英語力や学歴が高い場合は、別ルートで進める可能性もあります。
必要な英語力(IELTS・OET・PTE)
海外で安全に看護業務を行うため、医療現場での実務コミュニケーションが可能な英語力が必須です。
主に受け入れられる試験は次の通りです。
- IELTS Academic
- OET(医療職向け英語試験)
- PTE Academic
多くのケースで、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能すべてで一定基準を満たす必要があります。
特に患者説明、記録作成、医療チームとの連携など、実務に直結する運用能力が重視されるため、単なる試験対策だけでなく医療英語への慣れも重要です。
年齢制限やキャリア背景の影響
看護師登録そのものに厳格な年齢上限が設けられているわけではありませんが、ビザ条件や就労可能期間によって実質的な影響を受ける場合があります。
また、キャリア背景としては、
- 継続的に臨床に従事している
- 看護関連の職務(教育・在宅ケア・専門領域)に関わっている
といった要素が、最新の実務能力を示す材料として評価されます。
一方で、異業種への長期転職や大きなブランクがある場合は、再教育や能力証明を追加で求められることもあります。
重要なのは年齢そのものよりも、現在の臨床能力・学習意欲・将来計画の一貫性が説明できるかどうかです。
費用・期間・ビザ:実現可能性の現実
海外で看護師登録を目指す際、制度理解と同じくらい重要なのが「現実的に実行できるか」という視点です。特に費用・期間・ビザ条件は、進学計画やキャリア設計に大きく影響します。ここでは、代表的な目安と、計画を立てるうえで見落としがちなポイントを具体的に解説します。
コンバージョンコースの学費目安
看護師向けのコンバージョンや移行プログラムの学費は、提供機関(大学・教育機関)やプログラムの長さによって大きく異なります。一般的な目安は次の通りです。
- 短期の移行・評価対策プログラム:数十万円〜200万円前後
- 半年〜1年程度の専門プログラム:200万〜400万円程度
- 大学の短縮Bachelor of Nursing(海外資格者向け):年間300万〜500万円前後
これに加えて、
- 教材費・実習関連費
- 英語試験受験料
- 海外送金手数料
- 渡航費
などの付随費用が発生します。
また、生活費(家賃・食費・交通費)は都市によって大きく変動するため、学費+年間生活費をセットで資金計画に含めることが重要です。
修了までにかかる期間
必要な期間は、英語力・学歴評価結果・選択するルートによって差があります。
- 英語スコア取得まで:6か月〜1年以上
- 資格審査・書類準備:3〜6か月
- コンバージョン/移行プログラム:6か月〜2年
- 登録申請・就職活動:数か月
トータルでは、最短で約1年、一般的には1〜2年程度を見込むケースが多いです。
すでに英語スコアを満たしている場合や、学歴・臨床経験が高く評価される場合は、さらに短縮される可能性があります。
学生ビザ・就労可否
多くの教育プログラムは学生ビザで受講することになります。学生ビザでは、
- 在学中の就労時間に制限がある
- フルタイム学習が求められる
- 学費・生活費の証明が必要
といった条件があります。
また、コース修了後は、条件を満たせば卒業生向けの就労ビザなど別の滞在資格へ移行できる可能性もありますが、適用要件や制度は変更されることがあるため、最新情報の確認が不可欠です。
働きながら進めることは可能か
学習と就労の両立は可能ですが、時間的・体力的な負担を考慮する必要があります。学生ビザの範囲内で、
- 介護職(AIN、サポートワーカーなど)
- 医療関連の補助職
- 一般アルバイト
に従事し、生活費の一部を補うケースは多く見られます。
一方で、臨床実習や評価試験の準備期間は学習負荷が高くなるため、就労時間を減らす計画をあらかじめ立てておくと、学業成績や試験結果に好影響があります。資金計画・学習計画・就労計画をバランスよく設計することが、途中離脱を防ぐ重要なポイントです。
オーストラリアで受講できる代表的なコース・学校例
オーストラリアでは、海外資格を持つ看護師が現地基準に適合するための教育・移行プログラムが複数の大学や教育機関で提供されています。プログラムの内容や入学条件は学校ごとに異なり、学位取得型(大学)と移行・臨床実践重視型(トランジション)の大きく2つの方向性に分かれます。自身の学歴や英語力、登録までの最短ルートを見据えて、適切なタイプを選択することが重要です。
大学型コンバージョンプログラム
大学が提供する「海外資格者向け」の看護学位プログラムは、既存の看護教育・臨床経験を評価したうえで、通常のBachelor of Nursingより短い期間で修了できるよう設計されている場合があります。主な特徴は次の通りです。
- オーストラリアの看護基準に沿ったカリキュラム(臨床判断、患者安全、多職種連携など)
- 一定時間数の臨床実習を含む
- 修了後、登録要件を満たすための学歴として評価されやすい
このタイプは、学歴の同等性を明確に証明したい方や、将来的に専門分野・大学院進学を視野に入れている方に適しています。一方で、期間が半年〜2年程度と比較的長く、学費負担も大きくなる傾向があります。
RN移行・トランジションプログラム
移行・トランジション系プログラムは、現地の臨床実践への適応に重点を置いた教育形態です。講義とシミュレーション、臨床環境を想定した実践演習などを組み合わせ、現場で求められる行動基準やコミュニケーションを強化します。
特徴としては、
- 比較的短期間(数か月〜1年未満)の設定がある
- OSCE等の能力評価対策を含む場合がある
- 現地就労に向けた実務スキルの補完を重視
英語力や臨床経験が十分にあり、早期に登録申請や就労準備へ進みたい方に向いているケースがあります。ただし、プログラム単体で登録要件がすべて満たされるかどうかは個別審査に依存するため、事前確認が不可欠です。
入学条件・開始時期の比較ポイント
学校選びでは、単に期間や費用だけでなく、入学条件と開講タイミングを総合的に比較することが重要です。主な確認項目は以下の通りです。
- 英語スコアの基準(IELTS/OET/PTEのいずれが認められるか)
- 看護学歴の要件(大学・専門学校のどちらが対象か)
- 直近の臨床経験の有無
- 年間の開講回数(年1回・複数回)
- 臨床実習先の確保状況
- 修了後の登録申請サポート体制
開始時期が限られるプログラムでは、英語試験や書類準備のタイミングが合わないと入学が半年〜1年先延ばしになる可能性もあります。出願締切、必要書類、査証(ビザ)手続きの所要期間を逆算し、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが、最短ルートでの進学・登録につながります。
修了後のキャリアと将来性(年収・就職・永住権)
看護師コンバージョンコースや移行プログラムの最大の目的は、海外で看護師として安定したキャリアを築くことです。ここでは、修了後に想定される収入水準、就職機会、長期的なキャリア形成や永住権への影響など、投資対効果(ROI)の観点から具体的に解説します。
オーストラリア看護師の給与水準
オーストラリアの登録看護師(RN)の給与は、州・勤務先(公立病院、私立病院、高齢者ケアなど)・経験年数・勤務形態(シフト、夜勤)によって差がありますが、初任給段階でも比較的高い水準に位置します。
一般的な目安としては、
- 新人〜経験数年のRN:年収ベースで中程度の専門職水準
- 経験年数の増加や専門領域(ICU、救急、教育担当など)への進出により昇給
- 夜勤・週末勤務・資格手当などの各種手当が加算
といった構造です。
また、地域によっては人材不足を背景に採用条件が優遇される場合もあり、安定した需要に支えられた給与体系が特徴です。
就職率と需要の現状
オーストラリアでは高齢化や地域医療の拡充に伴い、看護師需要は継続的に高い水準にあります。
就職先としては、
- 公立・私立病院
- 高齢者ケア施設
- 在宅・コミュニティケア
- リハビリ・慢性期ケア
など多様な選択肢があり、臨床経験や英語運用能力に応じてキャリアの幅を広げることが可能です。
特に、現地での実習経験や移行プログラム修了歴がある場合は、採用担当者にとって即戦力として評価されやすい傾向があります。
永住権(PR)につながる可能性
看護職は多くの州・地域で中長期的な人材需要が見込まれる職種とされることが多く、一定の条件を満たすことで長期滞在資格や永住権申請の選択肢が検討できる場合があります。
ただし、
- 年齢
- 英語力
- 職歴
- 雇用形態
- 移民制度の年度ごとの方針
など複数の要件が関係するため、必ずしも自動的に永住権へ直結するわけではありません。
将来的に長期滞在を視野に入れる場合は、登録後の勤務実績や専門分野での経験を積み重ねることが重要です。
海外経験が日本で評価されるケース
海外での看護経験は、日本へ帰国した場合でもキャリア上の強みとなることがあります。例えば、
- 国際患者対応(多文化ケア)の経験
- 英語での医療コミュニケーション能力
- エビデンスに基づく看護実践への理解
といったスキルは、国際医療機関や外資系医療関連企業、教育・研修分野などで評価される可能性があります。
また、海外で培った自律的な臨床判断力やチーム医療への適応力は、国内の医療機関でもリーダーシップや教育担当として活かせる場面が多く、長期的なキャリアの選択肢を広げる投資として位置づけることができます。
制度変更と注意点|最新動向を理解する
看護師コンバージョンコースを検討する際は、制度が継続的に更新されている点に十分注意する必要があります。海外看護師の受け入れ方針や登録要件は、医療人材需要や安全基準の見直しに応じて変更されることがあり、数年前の情報が現在は適用されないケースも少なくありません。ここでは、誤解されやすいポイントと、進学・登録計画を立てるうえで押さえておくべき最新動向を整理します。
コンバージョンコースは廃止されたのか
「コンバージョンコースが廃止された」という情報を目にすることがありますが、正確には名称や制度の位置づけが変化しているという理解が適切です。
従来の短期ブリッジング中心の仕組みから、能力評価や大学教育を組み合わせた複数ルートへと移行したことで、同様の目的を持つプログラムが別の名称や形式で提供されています。
現在も、海外資格者が現地基準に適合するための
- 大学の移行プログラム
- 臨床実践重視の教育コース
- 能力評価対策を含む研修
といった選択肢は存在しており、「完全に廃止された」というよりも評価方法が多様化したと捉えるべきです。
最新の適用可否は、個別審査結果によって決まるため、出願前に対象プログラムの現行要件を確認することが重要です。
最近の看護師登録制度の変更点
近年は、教育背景が多様な海外看護師に対しても一貫した安全基準を担保するため、能力(アウトカム)ベースの評価が重視される傾向にあります。
書類審査だけでなく、知識試験や実技評価などを組み合わせて、実際の臨床現場で安全に業務ができるかを段階的に確認する仕組みが整備されています。
また、医療人材不足への対応として、地域や時期によっては受け入れ促進策や手続きの効率化が進むこともあります。一方で、英語要件や臨床能力の証明に関する基準は引き続き厳格に運用される傾向があり、制度緩和と安全基準の維持が並行して進んでいる点を理解しておく必要があります。
RN登録が認められないケース
申請を行っても、条件を満たさない場合は追加要件が提示されたり、登録が保留・不承認となる可能性があります。主な要因としては、
- 看護教育の履修内容や実習時間が基準に不足している
- 英語スコアが規定に達していない、または有効期限が切れている
- 直近の臨床経験が確認できない
- 提出書類に不備や情報の不一致がある
といった点が挙げられます。
これらを避けるためには、出願前に必要書類を精査し、シラバスや実習時間の証明、在職証明などを正確に準備することが重要です。事前に制度要件を確認し、足りない要素があれば英語対策や追加履修などで補完しておくことで、審査プロセスを円滑に進めることができます。
よくある質問
海外で看護師として働くことを検討している方から、実際によく寄せられる質問をまとめました。制度や条件は個人の状況によって異なるため、ここでは一般的な目安と判断のポイントを解説します。
オーストラリアで看護師になるにはIELTSのスコアはいくつ必要ですか?
一般的に、医療職として安全に業務を行うための英語力として、4技能(Listening・Reading・Writing・Speaking)すべてで高い水準のスコアが求められます。
目安としては、IELTS Academicで各技能7.0相当、もしくは同等レベルのOET・PTE Academicが認められるケースが多いです。
ただし、適用される基準やスコアの有効期限は制度変更の影響を受けるため、出願時点の公式要件を必ず確認してください。
オーストラリアの看護師の月収はいくらですか?
給与は勤務先や州、経験年数、夜勤・週末手当の有無によって大きく変わりますが、登録看護師(RN)の初期段階でも専門職として安定した収入水準に位置します。
年収ベースで提示されることが多く、経験の蓄積や専門領域への進出(ICU、救急、教育担当など)に伴って昇給する仕組みです。月収換算では、基本給に各種手当が加わるため、勤務形態によって差が生じます。
オーストラリアで正看護師になるにはどのルートがありますか?
代表的なルートには、
- 能力評価(試験・実技評価)を中心とした登録申請
- 海外資格者向けの大学プログラム(短縮Bachelor等)
- 臨床実践への適応を目的とした移行・トランジション系教育
などがあります。どの方法が適用されるかは、学歴(大学・専門学校)、臨床経験、英語力、提出書類の内容によって個別に判断されます。最短ルートを選ぶためには、事前に自分の条件を整理し、必要要件を満たしているかを確認することが重要です。
オーストラリアで看護師として働くには何歳までですか?
看護師登録そのものに明確な年齢上限はありません。ただし、滞在資格(ビザ)の種類や条件によって、年齢が選択可能な制度に影響する場合があります。
実務上は、年齢よりも現在の臨床能力、英語力、就労可能期間、キャリア計画の一貫性が重視されます。長期的な就労を目指す場合は、ビザ要件を含めた総合的なプランニングが必要です。
英語が苦手でもコンバージョンコースに進めますか?
多くのプログラムでは入学時点で一定の英語スコアが必要です。英語が苦手な場合は、先に一般英語・医療英語・EAP(進学準備英語)などのコースで基礎力を強化し、所定の試験で基準スコアを取得してから出願する流れが現実的です。
臨床現場では患者説明や記録作成、チーム連携に英語を使用するため、試験対策と並行して実務会話力を高める学習が推奨されます。
日本での看護師経験が少なくても申請できますか?
申請自体は可能な場合がありますが、直近の臨床経験が豊富なほど評価は有利です。経験が浅い場合は、追加教育や能力評価の比重が高くなることがあります。
急性期・慢性期を問わず、実務内容を証明できる在職証明や職務内容の詳細を準備しておくと、審査時の説明材料として役立ちます。
コンバージョンと大学Bachelor of Nursingのどちらが有利ですか?
どちらが有利かは個人の条件によって異なります。
- 学歴の同等性を確実に満たしたい、将来の専門分野・大学院進学も視野に入れる → 大学の学位取得型
- 既に十分な英語力と臨床経験があり、早期に登録申請へ進みたい → 能力評価や移行プログラム中心
費用・期間・将来のキャリア計画(現地就労か帰国後活用か)を総合的に比較し、自分にとって最短かつ確実なルートを選択することが重要です。


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